208 XYがやって来た日、そして第一印象 (2013年)

peugeot405と208

前回「最終決断は (2013年)」から続く

2013年夏の某日、いよいよPEUGEOT 405 SRI-EX BREAK(以下405と記す)からPEUGEOT 208 XY(以下208XYと記す)へと乗り換える時がやってきた。今回の乗り換えは、それほど前のめりな心境ではなかったからか、前の晩は眠れないなどとということもなく、粛々と納車日を迎えることになった。午後になっていつも通りに405を始動すると、感慨に浸ることもなくディーラーへと向かった。

馴染みのディーラーは、納車の儀といった特別なセレモニーもなく、これまた粛々と事を進めるタイプの仕事をする所なので、こちらも、そのペースに合わせるように、所定の説明を受け、書類にサインをして、208XYは私のものとなった。

納車早々、208XYの後部座席は前に倒され、最大限の荷室スペースが確保された。そこへ405に積まれていた荷物が移されて、2シーターワゴンのような装いとなった。405では、少し余裕のある積載状況だったが、208XYではさすがに窮屈さが顔を覗かせ、例えば、重なった下にある荷物の取り出しを行う際は、幾分ストレスを感じるような作業となってしまう。そのため、積み方にも工夫を要する。とりあえず放り込んでおけ、とはいかない。もっとも、この事態は想定済みではあったが。

夏の午後だったので、通り雨に遭う可能性も高かったけれど、少し遠回りをして行こうと思った。キーを差し込み回すというコンベンショナルなスタイルでエンジンを始動して、いよいよ路上へと駆け出した。

第一印象は散々だった。いや、散々は言い過ぎかもしれないが、少なくとも、そのまま引き返して405を取り戻せるか、そんな想像が脳裏によぎるような印象であったことは確かだ。以前、記したように、私はGTi(200THP)には試乗したが、156THPのXYやGTには試乗していない。GTiだと私には十分すぎるから、XYくらいでちょうどいいのではないか、という想像に基づいてXYを選んだのだった。

XYはGTiと比べて、丸かった。GTiですら決して尖ったクルマではなかったが、XYは一層丸みを帯びて、まるで丸ゴシック体のようだった(さすがに「まるもじ」とまでは言わないが)。そして薄味というか、カロリーオフの食料品のようなパンチの無さも感じられた。これが200THP(GTi)と156THPという数字の差なのか、あるいは意図的な味付けなのだろうか。かといって1.2LのAllureのような軽快さも無かった。GTiとAllureの間を取ったら、双方のイイとこ取りどころか、出し殻だけが付いて来たような第一印象だった。

気がつけば、日差しの隙間から小雨がパラつき出して、新しいボディを汚し始めていた。およそ新車に乗る喜びとは程遠い感情を抱きながら、ひとまず家に帰ることにした。新車の匂いだけが空騒ぎをしているような納車日であった。

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