405からの乗り換えにあたっては (2013年)

前回「80年代からの招待状 (2013年)」から続く

私にとって、クルマは趣味の対象である前に、生活や仕事のための実用アイテムである。こういう書き方は違和感を与えてしまうかもしれないが、その真意は、クルマとの関わり方において日々の使用目的は、まず担保されなければならない、という意味である。その前提がクリアできれば、機能的な利便性などは、実は不十分であっても構わないし、そこに趣味性が顔を出す余地が出てくるわけだ。

したがって、PEUGEOT 405 SRI-EX BREAK(以下405と記す)から別のクルマに乗り換えるにあたっては、その前提をクリアするための様々な条件があった。

1. 荷物積載量

まず第一に荷物の積載量である。これは仕事にも関わってくる最重要ポイントで、これをクリアできないと「まったく使い物にならない」ことになってしまう。2003年にロードスターから405に乗り換えた際の、最大の課題もここにあった。今回は、405の積載量と比較してどのラインに目標を設定するか、ということがこの課題に取り組む出発点となった。

当初は、405と同等程度の積載量を最低でも確保したいと漠然と思っていたので、同クラスのステーションワゴンをターゲットに想定していた。ところが、実は208くらいでもイケるのではないか、ということに気付いたのである。もちろん積載の余力が圧倒的に少なくなることは否めないし、積み方の融通が効かなくなる、という懸念もあった。でも積めることは積めるわけで、冒頭に書いた「使用目的が担保されれば、利便性は不十分であっても構わない」ことに合致する。

ちなみに、私のクルマの使い方では、208くらいがミニマムだと思う。これより小さくなると厳しく、205だと無理であろう。ボディサイズの肥大化がここでは功を奏していた。現在サブ使用のTWINGOに仕事の荷物を積んだことはないが、難しいことが予想される。一度試してみようとは思っているが。

荷物積載量が課題といってもその程度なのか、という感じである。1BOXが必要とかそういう積載量の考え方と比べるとスケールが小さい話で申し訳ない。

2. 乗車人数

第二に乗車人数である。私のクルマの使い方では、基本2名乗車で事足りる。3名以上乗車することは、年に1回あるかないかという程度だし、それも必ず乗せなければならない、という絶対的なものではない。

3. ドア枚数

第三にドア枚数である。これは条件というわけではないが、普通に考えてドア4枚のほうが使いやすいことは明白である。人ではなく荷物の出し入れでも4枚ドアの優位性は確かだ。だが、基本2名乗車で事足りるわけだから、必要な積載量さえ確保できればドアは2枚でも構わない、という考え方も成立する。そうなのか。

4. トランスミッション

第四にトランスミッション。クルマ好きにMT派は多い。が、私にとってそれは譲れないポイントというわけではない。実際、ATの405を10年ほど乗ってきたが、不満や物足りなさは無かった。ただ、その前はMTのロードスターだったし、MTモデルが減りつつある時代背景を考えると、ここは再びMTを操ってみたい、という気持ちが絶対ではないものの何割かはあった。

5. 車幅

第五に車幅である。世界的にクルマのボディサイズが拡大傾向を続ける中、とりわけ車幅は拡がる一方である。5ナンバー枠に収まるクルマなど片手で数えられるくらいだ(そこまで少なくはない)。これは条件というよりは私の好みに近いが、5ナンバーとは言わないけれども、何とか1750mm以内に収められれば、と長らく思ってきた。そういう意味では、405の1720mmという車幅は、極めて理想的なサイズだったと今でも思う。

6. 新車か中古車か

この時のクルマ選びでは、新車または高年式車にする、という(条件ではなく)縛りを設けた。ここを自由にしてしまうと、やれCITROEN Xantiaだ、BXだという妄想が膨らみ、405の抱えていた問題が、解消されるどころか継承されてしまい、それでは元の木阿弥だからだ(笑)
別の点では、過去2台がいずれも前世紀のクルマで、エアバッグもABSも付いてないような時代のものだったから、今時のクルマを経験してみたい、という思いもあった。


主だった条件は上記の通りである。その他に駆動方式、排気量、何よりも価格帯など検討すべき要素は多々あったが、それらは常に考慮すべきものであり、この時のクルマ選びに固有の要素ではなかったともいえる。

いよいよ具体的な行動が始まる。まずは、馴染みのプジョーディーラーを訪れることにした。

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