輸入車への興味は

ある時期、クルマへの興味を強めていって、結局はユーノス・ロードスター(NA)の中古車を手にいれることになるのだけれど、同時に輸入車への関心も密かに高まっていた。外車(ガイシャ)なんて呼ばれ方もしていて、それまでは見栄っ張りのための贅沢品くらいのイメージで捉えていた輸入車だが、クルマ関係の書籍・雑誌類を読んでいくうちに、輸入車への想いを勝手に募らせるようになっていた。

もともと、欧米の音楽(洋楽)や映画(洋画)が好きだったし、オーディオでも日本製品に飽き足らず、欧米の機器に興味を持つようになったという経緯もあり、いわゆる外国かぶれの傾向も否定できなかったわけで(苦笑)、クルマに関しても、いわば必然的に輸入車へと目が向くことになった。

今でもそうだけれども、日本の自動車メディアにおける輸入車礼賛傾向、というのは根強くあって、しかも文化的というか少々インテリっぽい層は、概して輸入車好きの姿勢を見せていた。それはそれで嫌味なところも感じるけれど、輸入車には国産車にはない魅力がある、という文言から想像される魅惑的な世界に抗い難さを感じたのも事実である。

とはいえ、当時はまだ輸入車を所有することにはハードルを感じていたのも確かである。何しろ、今よりも耐久性や信頼性についての不安は強く喧伝され、いくらお金を稼いでも追いつかない、というような怖い印象もあった。若輩者だった私には、とても手を出せる世界ではなく、具体的に購入を検討するには至らなかった。

輸入車はあくまでも憧れの世界として彼岸にあり、此岸での現実的な選択として国産車のユーノス・ロードスター(NA)に乗ることになった。しかし、現実的というには十分すぎる魅力を備えていたのがロードスターであり、むしろ将来の輸入車所有への架け橋を果たしてくれたと、今となっては思う。

ちなみに、輸入車へ興味を持った当初に、まず目が向いたのはアルファロメオなどのイタリア車。何も知らないくせに、ドイツ車は面白みに欠ける、などと言っていたのは耳学問の悪い影響である(苦笑)。イタリア車やフランス車は、輸入車の中でもさらに一味違うという。そんな文章をあちらこちらで目にすることができた。いずれはその世界にという決意は、その頃すでに固まりつつあった。

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