THE CARS / Drive (1984)

この投稿のカテゴリーは「クルマと音楽」。で、この曲が思い浮かんだ。「車」というバンドによる「運転」というヒット曲。そのまんまである。80年代に全米ヒットチャートを追っていたような方なら、おなじみの存在だろう。Wiki的な内容を重ねる必要はないので、多くは記さない。

この曲が含まれ、シングルヒットを連発した1984年のアルバム”Heatbeat City”は当時何度もリピートしていた1枚。レンタルレコードからカセットテープにダビングというあの頃のスタイルで。
アメリカは東海岸ボストン発のバンドで、ニューウェイヴ系の音楽性がベースだけれど、MTV時代らしいポップセンスが輝いて、といっても典型的USポップな色彩感とはズレを持った奇妙な魅力を放っていた。

ちょうど昨年、メンバーの Ric Ocasek [リック・オケイセック] (Vo. G)の訃報に触れることになった。今更ながら驚いたのは彼の年齢で、1944年生まれというから Jeff Beckや Jimmy Pageと同い年、Eric Claptonよりも1つ年上だったのだ。同じく80年代半ばにヒットを放っていた Peter Gabriel [ピーター・ガブリエル]や Steve Winwood [スティーヴ・ウィンウッド]よりも上の世代だった。
THE CARS といえば70年代末のデビュー以降、主に80年代に華やかな活動を見せていたのだが、彼の年齢は完全に60年代ロック世代である。つまりあの全盛期はすでに40歳前後の姿だったということである。

この曲でのボーカルは Ricではなく、故Benjamin Orr [ベンジャミン・オール] (Vo. B)がとっている。彼の憂いを帯びたムーディな歌声はRicとは好対照な味わいがある。「さあドライヴに行こう」という歌ではなく、男女間の憂いを含んだ機微を歌ったものである。
♪Who’s gonna drive you home tonight
彼らの数多いヒット曲の中では落ち着いたナンバー。

余談としては、このMVに出てくる女性はモデルの Paulina Porizkova [ポーリーナ・ポリスコワ]。当時19歳で、この後にRicと21歳差という歳の差婚に至る。

アルバムのデザインにもクルマが描かれているものがいくつかある

“Drive”は全米シングルチャートで最高3位を獲得した。この時の1位が Prince & The Revolutionの “Let’s Go Crazy”。他にも上位には John Waite、Cyndi Lauper、Stevie Wonder、Tina Turner、Sheila E. といった面々が並ぶ。ロサンゼルスオリンピックも行われた1984年。Van Halenはその名も”1984″というアルバムを発表した。ジョージ・オーウェルによって1949年に書かれた、不穏な未来を描いた小説のタイトルは『一九八四年(Nineteen Eighty-Four)』で、この年に映画化もされ、そのテーマを Eurythmics が担当した(一悶着あったが)。フランス車ではPeugeot 205やCitroën BX (ともに前期型)が現役の時代。

個人的には何かと記憶に残っている1984年だが、すでに36年という年月が流れ去った。

1984

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